新宿区の成年後見センター研修に参加しました

2019年01月30日

昨日は、当事務所がある新宿区の成年後見センターの研修に参加しました。

テーマは個人的にも関心のある、(終末期)医療における意思決定と意思決定支援(ACP)についてで、このテーマに熱心に取り組まれている看護師の方2名のご講演を伺うことができました。

1970年代から、米国では、本人が望む終末期医療の内容を個人で予め書面化しておくという取組みが行われ、法制度を含めて整備されましたが、実際にその方に終末期が訪れると、医療現場では、ご家族などは、その都度都度想定していなかった複雑で細かい意思決定が求められることになるので、「こうした医療を受けたい、こうしたことはして欲しくない」という過去の本人の記述だけがあったとしても、それだけでは、結局、指針としてはほぼ役に立たないことが実証的にわかってきたそうです。むしろ、こうした問題を、本人と本人に代わるべき意思決定支援者がどれほど率直に話し合えていたかというプロセスが重視されるようになってきているということを知り、なるほどなと感じました。(ACP(アドバンス・ケア・プランニング)。こうした対話プロセスを経ることにより、意思決定支援者は、本人の容態や置かれた状況を踏まえて、様々な場面において、本人が確かに望むであろう医療行為の有無・内容を決定し支援することが出来るということです。)

私も、仕事で成年後見人の業務を仰せつかっておりますが、専門職後見人として就任した際には、認知症が進んでおり、ご本人からきちんと話を聞けない状態であることが多く、「その人らしさ」をうかがい知るにしても、せいぜいご家族などの話をもとに、あとは想像力をたくましく働かせるしかないというのが実情です。こうした限界があるので、正直非常にもどかしい思いをします。

制度の利用のしづらさは多々あるように思いますが、やはり、見守り契約や任意後見契約を利用して、早い段階からご本人と顔の見える関係を作っておくことはとても重要だと改めて思いました。

当事務所では、こうした後見等の業務についても取扱っておりますので、どうぞお気軽にご相談ください。